不動産売却で残置物はどう処分する?費用相場から買主とのトラブルを防ぐ注意点まで解説|株式会社クリーンハート

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2026.06.05

不動産売却で残置物はどう処分する?費用相場から買主とのトラブルを防ぐ注意点まで解説

不動産売却を控えているものの、家の中に残された大量の家具や家電、生活ゴミなどの処分方法に悩んでいる方は少なくありません。
これらは「残置物(ざんちぶつ)」と呼ばれ、原則として売主の責任で処分する必要があります。
適切に処分を行わなければ、売買契約の破棄や損害賠償といった大きなトラブルに発展するリスクもあります。

本記事では、不動産売却における残置物の定義から、具体的な4つの処分方法、間取り別の費用相場、買主とのトラブルを未然に防ぐための注意点まで、プロの視点から詳しく解説します。

不動産売却における「残置物」とは?

不動産売却の手続きを進める上で、避けて通れないのが「残置物」の扱いです。
まずは、何が残置物に該当するのか、そしてなぜ売主が処分しなければならないのか、その基本を解説します。

残置物の定義と具体例(家具・家電・ゴミ屋敷状態の物品)

残置物とは、不動産の売却や賃貸物件の退去に伴い、前の住人が室内に残していったすべての私物のことを指します。
具体的には、以下のような物品が該当します。

  • 家具類:タンス、食器棚、ソファ、ベッド、テーブル、机など

  • 家電類:テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン(家電4品目)、電子レンジ、掃除機など

  • 日用品・生活ゴミ:衣類、布団、食器、書籍、プラスチック製品、生ゴミなど

  • 屋外の物品:物置内の工具、庭石、プランター、自転車など

空き家として長年放置されていた物件や、いわゆる「ゴミ屋敷」状態になっている物件では、足の踏み場もないほどの大量の生活ゴミや害虫・悪臭の原因となる物品が残置物となるケースもあります。
これらはすべて、不動産という「不動の財産」とは区別される「動産」として扱われます。

原則、売却までに「売主」がすべて処分しなければならない理由

不動産売却において、残置物は原則として引き渡し日(決済日)までに売主の責任と費用で完全に処分しなければなりません。
これには法律上の明確な根拠があります。

民法上、不動産の売主は買主に対して、物件を「何もない状態(空室)」にして引き渡す義務を負います。
これを「引渡義務」と呼び、契約内容に適合した状態での引き渡しが求められます。
【出典:民法第555条第601条等の通説的解釈

もし残置物が残ったまま引き渡しを行おうとすると、買主は「完全な所有権の移転および占有の確保が妨げられている」として、引き渡しの受領を拒否することができます。
また、買主がそのまま住む場合だけでなく、解体して更地にする場合であっても、建物の解体費用とは別に残置物の処分費用が発生するため、売主が事前に処分しておくことが鉄則です。

不動産売却の残置物を処分する4つの方法

残置物を処分する方法には、大きく分けて4つの選択肢があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自身の状況(時間、予算、物の量)に合わせた最適な方法を選びましょう。

1. 自治体の粗大ゴミ回収を利用する(メリット・デメリット)

最もコストを抑えられる方法が、各自治体が実施している行政のゴミ回収サービスを利用することです。
三重県津市や四日市市などの自治体でも、事前の申し込み制による粗大ゴミの有料戸別収集や、クリーンセンターへの自己搬入を受け付けています。

  • メリット: 処分費用が圧倒的に安い点です。数千円から数万円程度で大部分の粗大ゴミを処分できます。

  • デメリット: 指定された日時・場所に自分自身で搬出しなければならない点です。高齢の方や遠方に住んでいる方、大型家具が複数ある場合には、物理的な負担が非常に大きくなります。また、一度に排出できる量に制限がある自治体が多く、大量のゴミを一時に処分することは不可能です。

  • さらに、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象となる「テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン」の4品目は、自治体の粗大ゴミとしては回収できません【出典:経済産業省・家電リサイクル法】。
    これらは購入した店舗や指定引取場所に別途運搬・処分を依頼する必要があり、手続きが煩雑になります。

2. 親族や知人に譲る・リサイクルショップに売却する

状態が良い家具や家電、ブランド品、骨董品などがある場合は、親族や知人に譲渡するか、リサイクルショップや出張買取業者に売却する方法があります。

  • メリット: 処分費用がかからないばかりか、売却できれば現金化できるため、売却活動の足しにすることができます。また、大切に使っていたものを他人に引き継いでもらえるという精神的な満足感もあります。

  • デメリット: 買い手や譲り先が見つかるまでに時間がかかる点です。また、製造から5年以上経過した家電製品や、目立つ傷のある家具などは買取を断られるケースがほとんどです。買取不可となった場合は、結局別の方法で処分しなければならず、二度手間になるリスクがあります。

3. 不動産会社に買取・処分を依頼する

不動産の仲介または買取を依頼している不動産会社に、残置物の処分まで一括して窓口になってもらう方法です。

  • メリット: 売主が自分で処分業者を探したり、現地で立ち会ったりする手間が一切省ける点です。売却代金から処分費用を相殺(差し引き)して精算できるケースも多く、手元の現金支出を抑えられることもあります。

  • デメリット: 不動産会社が直接処分を行うわけではなく、提携している下請けの回収業者に発注するため、仲介手数料やマージンが上乗せされ、費用が割高になる傾向がある点です。また、すべての不動産会社がこの対応を行っているわけではないため、事前の確認が必要です。

4. 不用品回収業者・遺品整理業者に一括依頼する

民間の不用品回収業者や遺品整理業者に依頼し、家の中にあるすべての残置物を一括して搬出・処分してもらう方法です。

  • メリット: 分別、袋詰め、搬出、解体、清掃にいたるまでのすべての工程を業者が代行してくれる点です。最短即日で家の中が完全に空になるため、引き渡し期日が迫っている場合や、遠方に住んでいて時間が取れない場合に最適な選択肢となります。また、家電リサイクル法対象品やパソコン、消火器など、自治体が回収しない物品もまとめて引き取ってもらえます。

  • デメリット: 行政の回収に比べて費用が高くなる点です。また、一般廃棄物の収集運搬許可を持たない違法な悪徳業者に依頼してしまうと、不法投棄や不当な追加請求のトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

【量・状態別】残置物処分の費用相場

残置物の処分を業者に依頼する場合、費用は主に「荷物の量(間取り)」と「物件の状態(ゴミ屋敷化、遺品整理の有無)」によって決まります。
ここでは一般的な目安となる費用相場を解説します。

間取り別の回収費用相場(1K〜4LDK以上)

不用品回収業者の多くは、トラックの積載量や間取りを基準としたパック料金を設定しています。以下は、一般的な残置物回収の費用相場です。

間取り 費用相場(目安) 使用するトラックの目安
1K・1DK 30,000円〜80,000円 軽トラック〜1.5tトラック
1LDK・2DK 60,000円〜150,000円 1.5t〜2tトラック
2LDK・3DK 120,000円〜250,000円 2tトラック2台〜
3LDK・4DK 180,000円〜400,000円 3t〜4tトラック相当
4LDK以上 300,000円〜600円(不明)以上 4tトラック複数台

注意点:上記の金額はあくまで家具や家電が適度にある標準的な状態の目安です。実際の費用は、エレベーターの有無、トラックを駐車できる場所から玄関までの距離、エアコンの取り外し工事の有無などの作業環境によって変動します。確実な金額を知るためには、必ず現地見積もりを依頼してください。

ゴミ屋敷状態や遺品整理が伴う場合の追加費用

物件が「ゴミ屋敷」状態になっている場合や、亡くなった親族の「遺品整理」を兼ねている場合は、通常の間取り別相場よりも費用が高くなります。

  • ゴミ屋敷状態の場合

    床が見えないほどゴミが積もっている、あるいは天井近くまで達しているようなケースでは、作業人員の大幅な増員、防護服の着用、害虫駆除、悪臭の消臭処理が必要になります。
    この場合、1部屋あたり10万円〜30万円以上の追加費用が発生することがあり、一軒家丸ごとの処分では100万円を超えるケースも不明ではありません。

  • 遺品整理が伴う場合:

    単なるゴミの処分とは異なり、通帳、印鑑、現金、重要書類、思い出の品(写真や手紙)などを丁寧に探索・分別しながら作業を進める必要があります。
    また、形見分けの配送手続きや、仏壇・神棚などの「お品物のお焚き上げ(供養)」を依頼する場合は、数万円程度のオプション費用が加算されます。

買主とのトラブルを未然に防ぐための5つの注意点

不動産売却の取引において、残置物を巡るトラブルは非常に多く発生します。
買主との良好な関係を維持し、安全に取引を完了させるために、以下の5つのポイントを必ず実践してください。

1. 売買契約書における「残置物の処理条項」を確認する

不動産売買契約を結ぶ際、契約書の中に残置物の扱いに関する明確な条項が盛り込まれているか必ず確認してください。

一般的には「公益社団法人宅地建物取引業協会」などが発行する標準的な売買契約書が使用され、その中には「売主は、本物件の引き渡しまでに、その責任と負担において、本物件内に存在する物品(残置物)を搬出しなければならない」という旨が記載されます。

もし、特定の家具(例:高価なエアコンや埋込式の照明器具など)を「買主が使いたいと言うから残す」という合意があった場合は、口頭での約束で済ませず、必ず契約書の「特約条項」や「物件状況等報告書(付帯設備表)」に明記してください。
書面に残していない場合、引き渡し後に「やはり撤去してほしい」「壊れているから修理費用を請求する」といったトラブルに発展します。

2. 処分期日(引き渡し日)を厳守する

契約書に定められた引き渡し期日は絶対です。
「引き渡し日までに片付けが間に合わなかったから、あと数日待ってほしい」という言い訳は通用しません。

不動産の引き渡し日(決済日)には、買主が住宅ローンの融資を実行し、司法書士が登記申請を行うなど、多くの関係者が動いています。
売主の残置物処分が遅れたために引き渡しが延期になると、買主の引っ越し業者のキャンセル料や、仮住まいの延長費用など、多額の損害が発生し、その実費を請求されることになります。
残置物の処分は、引き渡し日の「少なくとも1週間前」には完全に完了するよう、余裕を持ったスケジュールを組んでください。

3. 「処分して良いもの」と「残すもの」のリスト化と現地確認

売主自身が片付けを行う場合でも、業者に依頼する場合でも、「処分するもの」と「残すもの」の基準を完全に明確にし、リスト(書面)化してください。

特に、以下のような設備・物品は判断に迷いやすいため注意が必要です。

  • エアコン・室外機

  • 照明器具・シーリングライト

  • カーテン・カーテンレール

  • 庭の物置・プランター・庭木

  • 床暖房のリモコンや予備の壁紙

処分業者に指示を出す際、口頭だけで「この部屋のものは全部捨ててください」と言うと、買主に引き渡す約束になっていたエアコンまで取り外されてしまうといったミスが起こります。
あらかじめ、残すものには「残す」と書いた貼り紙(養生テープなど)を大きく貼り、写真に収めてリスト化し、作業前に関係者全員で現地確認を行うことがトラブル防止の鉄則です。

4. 解体やリフォームを前提とする場合の交渉術

売却後、買主が建物を解体して更地にする場合や、大規模なフルリフォーム(リノベーション)を行うことがあらかじめ決まっている場合があります。
この場合、交渉次第で「残置物を残したまま引き渡す」という条件(現状渡し)に変えられる可能性があります。

なぜなら、解体業者やリフォーム業者は工事の過程で大量の廃材を排出するため、家具や木製の棚などであれば、建物の解体・改修工事と一緒に一括処分した方が、売主が個別に不用品回収業者を呼ぶよりも総額で安くなるケースがあるからです。

ただし、これを実現するには以下の交渉が必要です。

  • 売買契約の前に、買主に対して「残置物をそのままにする代わりに、売却価格をいくら引き下げる(処分費用相当分を値引きする)」という条件を提示する。

  • 契約書の特約に「買主は、本物件内に存する別紙記載の残置物を現況のまま引き受け、売主は撤去義務を負わないものとする」と明記する。

売主が勝手に「どうせ解体するから置いていっても大丈夫だろう」と判断することは絶対に許されません。
必ず事前に不動産会社を通じて買主の承諾を得てください。

5. 万が一残ってしまった場合の違約金や損害賠償リスク

万が一、引き渡し日を過ぎても売主の残置物が残っており、それが原因で完全な引き渡しが完了できない場合、売主は「債務不履行(契約違反)」に問われます【出典:民法第415条】。

一般的な不動産売買契約書では、債務不履行が発生した場合、不履行のあった側が相手方に対して「売買代金の10%〜20%」に相当する違約金を支払う定めが置かれていることが大半です。

具体的なリスクシミュレーション:

売買代金が3,000万円の物件で違約金が20%と定められていた場合、残置物の処分を怠っただけで600万円の違約金を請求される法的リスクが生じます。
さらに、契約自体を解除されたり、買主が被った実際の損害(引っ越し費用の損害など)が違約金を超える場合は、別途損害賠償請求をされる可能性もあります。
残置物の放置は、極めてハイリスクな行為であることを認識してください。

不用品回収業者に依頼するメリットと失敗しない選び方

量が多い残置物を一気に、かつ確実に処分するためには、不用品回収業者への依頼が最も現実的な解決策となります。
しかし、業界内には一部に悪質な業者が存在することも事実です。
ここでは、業者を利用するメリットと、優良業者を見分けるための必須のチェックポイントを解説します。

メリット:即日対応、分別不要、遺品整理やゴミ屋敷にも対応可能

民間の不用品回収業者を利用する最大のメリットは、その「圧倒的なスピードと柔軟性」にあります。

  • 即日対応・日時指定が可能: 自治体のゴミ回収のように数週間前から予約を待つ必要がなく、早ければ問い合わせたその日のうちに対応してもらえます。土日祝日や夜間の作業に対応している業者も多いため、仕事が忙しい方でも立ち会いが可能です。

  • 事前の分別・梱包が一切不要: 衣服、食器、プラスチック、可燃ゴミなどが混ざった状態であっても、スタッフが現地で適切に分別しながらトラックへ搬出します。売主が重い家具を動かしたり、ゴミ袋に詰めたりする手間はゼロです。

  • 特殊な環境への対応: 遺品整理に伴う丁寧な仕分けや、ゴミ屋敷の消臭・消毒、さらにはエアコンの取り外し作業や物置の解体まで、ワンストップで依頼できます。

優良業者を見分けるチェックポイント(一般廃棄物収集運搬業許可など)

トラブルを避け、安心して依頼できる優良業者を見分けるためには、以下のポイントを必ず確認してください。

  • 「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得しているか、またはそうした許可を持つ業者と適切に提携しているか:

    家庭から出る残置物(生活ゴミや家具など)を回収して処分するためには、各市町村が発行する「一般廃棄物収集運搬業許可」が法律上必須です【出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条】。

    よくある間違いとして「産業廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」だけで家庭のゴミを回収している業者がいますが、これらだけでは一般家庭のゴミ(不用品)を回収することは違法です。
    ホームページや見積書に、利用する自治体(津市や四日市市など)の「一般廃棄物収集運搬業許可番号」が明記されているか確認してください。

  • 詳細な「書面での事前見積もり」を出してくれるか:

    「作業一式〇〇円」といった大雑把な見積もりではなく、人件費、車両費、処分費、オプション費などが細かく内訳として記載されているかを確認してください。
    また、「見積もり後の追加料金は一切発生しない」という文言が書面や規約に明記されている業者は信頼できます。

  • 損害賠償保険に加入しているか:

    大型家具を搬出する際、物件の壁や床、あるいは近隣の共有部分(マンションのエレベーターなど)に傷をつけてしまうリスクがあります。
    万が一の事態に備え、最高5,000万円などの「請負業者賠償責任保険」に加入している業者を選べば、修理費用が全額補償されるため安心です。

まとめ

不動産売却における残置物の処分は、取引を安全かつスムーズに完了させるための極めて重要なステップです。
原則としてすべての残置物は売主の責任で処分しなければならず、期日に遅れたり、買主との合意なく物品を残したりすると、違約金の発生や契約解除といった重大なトラブルに発展しかねません。

処分方法には自治体の回収や売却などがありますが、量が多い場合や引き渡しまでに時間がない場合は、一括してすべてを任せられる「不用品回収業者」の利用が最も効率的です。その際は、必ず「一般廃棄物収集運搬業許可」の有無を確認し、信頼できる優良業者を選定してください。

計画的なスケジュールを立て、家の中を完全に空にした状態で、最高の不動産売却を迎えましょう。

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